第6章 夏の思い出
境内に上がると、既に賑やかだった。
「ケイタ達、どこに行ったんだろうね。」
「…あのさ…」
「え、何?…あ!」
ようやく、ずっと手を繋いでいたのを
思い出してくれた。
「ごめんっ!」
パッと手を離した。
「…ごめんね?」
手の行き場に困ったようで
浴衣の袖に隠してしまった。
「さ、ケイタ達探そうッ」
恥ずかしそうに前を向いた
カナの首筋がキレイだった。
「…髪。」
「え?」
「まだ上げるには、早いんじゃない?
後ろピンだらけだよ。」
「い、いいの!浴衣には、この髪型でしょ!」
恥ずかしそうに、頭の後ろに
手をやる。
「そういうユウスケは、何で浴衣じゃないの?」
「…別に。」
男二人で来てるのに、
浴衣は着ないだろ、普通。
「あ、そうそう。花火が上がるんだよね。
境内の裏庭に行こうよ!」
また僕の手を引いた。
しっとりとしたカナの手のひら。
僕はキュッと握った。