第5章 金魚
あの傘の中にいたのは
守山先生だったのか。
あの雨の昼休み。
あの時のカナの表情。
その後の守山先生の
いつもらしからぬ態度。
あの日の夕方。
嬉しそうに先生の話をしてた。
キレイな虹を見ながら、
切ない顔をしていた。
僕は…
「…面倒くさい」
僕はカナが好きだ。
カナは守山先生が好きだ。
守山先生もカナが好きだ。
二人の関係に
何かあるのは予想出来る。
でも
真横にいたカナに
「大丈夫だよ」って
安心させる事も出来ない、
ただ黙って
「バイバイ」しか
言えなかった。
カナが好きだ。
涙が溢れてきた。
「ユウスケ…」
ケイタの顔が滲んで見えた。