第17章 僕達の一歩
僕は今年に入り、初めて編集社に来た。
「久しぶりだな。色々大変だったみたいだが、大丈夫か。」
編集者の畠山さんは、詳細を知っていた。
林田の事は、暴行死事件として、新聞に
載っていた。
畠山さんは、裏から詳細を聞いていたので、気を使ってくれ、長く待たせていたネームの受け取りを延ばしてくれていた。
「もう落ち着いたか?大丈夫か?」
「ハイ。ご心配お掛けしました。」
「そうか。では、仕事の話をしよう。」
僕はネームを見せ、畠山さんにいくつかアドバイスをもらい、手直し箇所を確認して、打ち合わせを終わらせた。
荷物を片付けようとしていたら、
「ユウスケくんさ。来月から、アシスタント入れそう?」
畠山さんが、コピーして返してくれたネームの一番上に、アシスタント先の詳細が書かれた書類が乗っていた。
「藤守翔大」先生。
スポーツマンガを描いている作家で、
週間少年誌で、人気ある連載作家だ。
「まだ若い先生だが、実力は申し分ない。キミと一緒なら、お互いにいい刺激になるよ。」
「読んだ事はありませんが、バスケ漫画ですよね。」
「…止めておくか?」
畠山さんは、ケイタが、バスケをやっていて、プロを目指していたのも知っている。
「…少し考えさせてください。」
「あぁ、いいよ。じゃ、これを持って帰れ。」
藤守翔大先生のマンガ、
『翔べ!』を、最新刊までの、
5冊を渡してくれた。