第9章 友達と恋人の境界線
ー翔sideー
雅紀「翔ちゃーん!お待たせ」
「雅紀」
授業が終わり、校内のいつもの待ち合わせ場所。
いつもの様に雅紀と待ち合わせして帰って行く。
雅紀「翔ちゃん学校慣れた?」
「まぁ、何とか…」
雅紀「大学行っても課題やらなんやらが多いのは高校から変わらないね。こりゃ暫くはバイトも出来ないかな」
「そうだねぇ」
雅紀「経済学部なんてもっと大変でしょ?」
「友達と協力し合って何とか乗りきってるよ」
雅紀「そっか」
大学に入学して…もうすぐ3ヶ月になろうとしていた。
1年2年の間にとにかく単位を稼ごうと平日は朝から夜まで講義の嵐。
帰れば課題の山。
でも凄く…充実していた。
高校とは違うレベルの高い講義や教授の話。
身体は疲れてるけど…頭はいつも冴えていた。
もっともっと…今の内に色んな事吸収したい。
そして…報道の仕事に携われる様になれれば…。
そして隣には雅紀が居る。
告白を受け入れたその日から関係性は変わらないけど…雅紀が側に居るだけで安心出来る。
きっと…これが本当の恋なんだと…少しずつ思える様になった。
幸せだと…思う様になれた。
雅紀「あ、翔ちゃんお願いがあるんだけど」
思い付いた様に雅紀は歩きながら俺の方を見る。
「どうしたの?」
雅紀「選択科目のやつでさ、ちょっと分かんないとこあるんだよね。時間あったら教えてもらえないかな」
「いいよ。じゃあ雅紀んち行く?」
雅紀「ありがと翔ちゃん♪」
笑顔で抱き着いて来た雅紀を支えながら俺は雅紀の家に向かった。