第7章 極道の世界
愛してる…智くん。
離れたくない。大好き…。
俺は智くんにしがみついてたくさんたくさんキスを交わした。
そんな甘い時間も部屋をノックする音で掻き消される。
松岡「ぼん。入りますよ」
智「お、おう」
俺達は慌てて起き上がり、乱れた髪を調える。
松岡「失礼します」
入って来た松岡さんが頭を下げる。
松岡「オヤジが呼んでます。ぼんと…櫻井さんを」
「え?」
智「何で翔くんもなんだよ」
松岡「会ってみたいと…おっしゃってます」
智「嫌だよ。翔くんは関係ないだろ」
松岡「しかし…」
「智くん」
俺は智くんの手を握る。
「大丈夫。一緒に行くよ」
智「翔くん」
「勝手にお邪魔しておいて挨拶もしないで帰るなんて…そんな無礼な事したくないよ」
智「でも…」
「智くん一緒に居てくれるんでしょ?平気だよ」
松岡「すみません櫻井さん。ありがとうございます」
「いえ。当たり前の事ですから」
智くんのお父さん…ヤクザの組長。
正直…会うのは怖い。逃げたい。
でも…俺は智くんの事愛してる。
だから…その家族からも逃げられない。向かい合わないといけない。
例え…何を言われようとも。
智「おいらが着いてるから。何言われても気にすんなよ」
「うん」
松岡「じゃあこちらへどうぞ。お供します」
深呼吸をして立ち上がる。
智くんに手を握られながら…俺は組長さんの部屋まで連れて行かれた。