第24章 番外編ー修と智宏ー
「狭い…」
智宏「しかも埃っぽい…」
「智宏が入ろうっつったんだろ」
智宏「まぁ確かに…」
「何で?」
智宏「うーん…何となく?」
「………ぷっ」
顔を見合わせ、笑ってしまう。
あまり使われていないのだろう。
かなり狭いその空間はちょっとした物置として使われてる様な感じがした。
さっきよりも、ピアノの音がよく聞こえる。
「何か…小さい頃聞いた事ある様な…何だっけ…中島…何とか…」
智宏「へぇ…綺麗な曲だね…」
暫くその曲に静かに聞いてると…智宏と密着した状態で居る事に気付いた。
その横顔を何となく見つめる。
すると…それに気付いた智宏がこちらを振り返る。
心臓が…トクン、と高鳴った。
あれ…?こいつ…こんなに綺麗な顔してた…?
男…だよな…。
智宏「………修くん…?」
手を伸ばし…智宏の頬に触れる。
智宏は…黙って俺の瞳を見つめた。
ゆっくりと顔を近付けても…智宏は動かない。
気付けば俺は…そのまま…目の前の柔らかい唇に…自分のを押し付けていた。