第23章 番外編ー潤と和也ー
ー潤sideー
窓から外の景色を眺める。
1時間程経っただろうか。
都心から離れたその場所に2人の場所があった。
駐車場に車が止まり、若衆が車の扉を開く。
「サンキュ」
車を降りると並んでいたそいつらは後に続いて来る。
その中の俺の側近、安田章大が後ろ隣に着く。
安田「ぼん。会長もお見えになられてます」
「………そうか。来るかと思ってたけどやっぱりな」
安田「今マルの奴が一緒に着いてます。お待ちになられるそうで」
「分かった。急ごう」
だだっ広い霊園を急ぎ足で奥へ奥へと進む。
1番奥の広いスペースに真新しい墓石が建っている。
その前で会長は俺を待っていた。
「お久し振りです会長」
会長「久し振りだな潤。元気にしとったか」
「………お陰様で」
会長「まさかお前が来るとはな。智も驚いとるわ」
「でしょうね」
頭を下げて墓石の前に立ち、花を手向けた。
線香を添えた後、手を合わせる様を会長は静かに見ている。
顔を上げると…会長が俺の隣に立った。
会長「早いもんだの。あいつが死んで…1年か」
「はい」
墓石に刻み込まれた文字
『大野智 櫻井翔』
その名前を真っ直ぐに見つめた。
会長「………まさか恋人と心中するとはな…。しかも男と…」
「………」
会長「せめて一目見てみたかったのぅ。どんな奴か」
「………綺麗でしたよ」
会長「そうか」
「ええ」
暫く会話をした後、帰ろうとしたら「送っていけ」と会長が言うもんだから…送らざるを得なくなってしまった。
どうやって来たんだ…。