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雪の華【気象系BL小説】

第15章 愛する人の為に


ー侑李sideー


どうして…。
どうして…。


あんな奴のどこがいいんだ…。
1人じゃ何も出来ないボンクラのボンボンのくせに…!!


俺の方が坊ちゃんを…智さんを愛してるのに…!!
悔しい…悔しい…!!
あんな奴…居なくなればいい!!


「ふぅっ…っっ…」


涙が流れる。
あの2人が一緒に過ごす時間を…同じ屋根の下で共有しないといけないなんて…地獄だ。
多くは望んでいないのに…。
ただ…彼の側に居たいだけなのに…。
あいつのせいでそれも叶わない…!


誰も居ない離れにある倉庫。
国分さんの遺体が発見された場所。
そこで俺は…声を上げて泣いた。


耐えるしか出来ない。
2人を見守るしか出来ない。


こうして影で泣く事しか…出来ないなんて…。


あいつさえ…あいつさえ居なければ…。


「ひぐっ…ひっく…ぐすっ…」


カタンと音がして慌てて振り返る。
涙を擦りながら見つめたその先には…年上の後輩、二宮さんが居た…。


和「知念さん…」


「ぐすっ…な、何か…」


和「泣き声がしたもんで…すみません」


「いえ…もう戻るとこですから」


二宮さんの隣をすり抜け、倉庫を出た…つもりだった。


和「知念さん」


彼に腕を掴まれる。


「離して…」


和「大丈夫ですよ知念さん…」


「何が…」


そっと腕を引かれ…抱き締められた。
耳元で…二宮さんは優しく囁く。


和「………俺も…目障りに思ってます。あいつを…」


「………」


和「………櫻井翔でしょ?」


「………どうして…」


和「協力…しません?あいつを消す為に…」


「どうやって…そんな事…」


和「………簡単ですよ」


そして二宮さんは耳元で俺に…悪魔の言葉を囁いたのだった。
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