第1章 夜明け前
ー智sideー
「おーい慎吾」
廊下から教室を覗くと居残ってた慎吾が笑顔で振り返る。
町田慎吾「智おせぇよ!もう学祭の準備終わったんだけど」
「ごめん屋上で寝てた」
慎吾「あほ。ほら、それ片付けるの手伝って」
「ほいほい 」
慎吾に促され、2人で片付けを始める。
小学校から一緒に居る親友、町田慎吾。
気兼ね無く話せるこいつとはずっと一緒で…側に居ると楽だった。
おいらの実家の事も…こいつだけは知ってる。
「学園祭なんて面倒くせえなぁ…」
慎吾「智らしいな。けどうちの大学は学祭力入れてるからなぁ。有名所の作品も集めてるみたいだしな」
「ふーん…」
絵の具や筆を片付け、教室は綺麗になった。
慎吾「よし終わった。じゃあ帰ろうか」
「おう」
電気を消し、おいら達は教室を出て行った。
まだおいらは知らなかった。
数日後にこの大学で…運命の出会いが待っているという事を…。