夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第4章 ♡ヨカニセ?ブニセ?(岩泉一)完結
「いーわちゃーん、今日最初調子悪かったー?」
朝練後、及川がオレに聞く
コイツには何もかもお見通しらしい
「スマン。考え事してた。」
「ふーん…あ、姫凪…」
「京谷の事だよ!姫凪 姫凪
うっせぇぞ!」
ん?何か調子が狂う
こんな声荒らげるような事じゃないのに
及川の口から姫凪の名前が出るのが
ヤケに嫌だ
馴れ馴れしいんだよ、クソ及川。
まさか…これが…?
『はじめちゃん、おはよ』
教室に入ると姫凪がオレに駆け寄ってくる
「おぅ。おはよ」
オレよりも大分と低い位置にある
姫凪の頭に何気なく触れると
上目遣いでオレを見て首をかしげる
サラリとした髪の毛を指に絡めるように
弄ると
『なにかついてる?』
オレの手を掴んでジッとみつめる
頭から離れた手がやけにもどかしくて
「…なんも…気持いいと思ってただけだ」
と言って頭にもう一度手を置く
オレの言葉に驚いたように目を丸くして
見上げる姫凪にドキリとする
いつもの貼り付けたような笑顔じゃない
その顔をもっと近くで見たくなって
小さい頭を抱き締めたくなって
さっきよりも低い位置
頬の辺りに手を滑らせようとした時
「姫凪ちゃーん、コレ昨日のヤツ」
及川の声が横から響き
姫凪の顔が及川の後ろ頭とかぶる
『え?もう聴いたの?』
「パソコンに落としたからコッチ貸したげる」
『まぢ?ありがと!動画探したけど
フルがなくてきけなかったんだー』
「発売日からあったら
商売あがったりでしょ(笑)」
『そーだけど!希望を探し歩いたのよ!
サビだけしかなくて余計
フラストたまったし(笑)』
「無駄な努力オツ〜!」
『ヒドっ!小指机で打て及川!』
「地味に痛いやつそれ!」
楽しげに話す姿が目に映る
姫凪が普通に笑ってる
オレへの笑顔とは違う笑顔
及川なら誰とでも打ち解けあえるのは
わかってる
それが才能な事も知ってる
でも。