第12章 ♤キズを癒やす手（牛島若利）完結

『な、んでそんな事……』

私の事より賢くんが
きっとイッパイ傷ついた事が
とても悲しくて
涙が出てきた

「バキバキに〜♪
折れっ
何をっ？
心〜をだよ〜♪ってな〜？」

鼻歌でも歌うように
軽やかに無慈悲に言う様に
また涙が落ちる

「なんで姫凪ちゃんが
泣くの〜？寸止めくらって
可哀相なの若利くんだろー？
もったいぶんなよ〜？
そんなに大事に守ってんなら
捧げやすいよーに
俺が壊してやろーかーぁ？」

私の目を覗き込み
相変わらずニコニコと嘲笑う
涙で言葉にならなくて
ただ首を左右に揺らす