第12章 ♤キズを癒やす手（牛島若利）完結

一人で黙々と掃除をしてると

「布施？」

牛島さんの声がした

『あ、こんにちは…』

「一人か？」

『はい…あの、牛島さんは？』

「進路の事でな」

先にある進路指導室を指差す

『そうですか…あの…』

チョット話したいけど
引き止めるのは迷惑かな？

「若利くん！俺先に言ってるから
後から来たらー？」

牛島さんの後ろから天童さんの声　

「姫凪ちゃんも
若利くんと話したそうだしー！ね？」

ニコニコ笑いながらこっちを見てる
笑ってるけどなんだか
少し怖いのは気のせいかな？　

『あ。はい。話したいです』　

「そうか。じゃあ先に言ってくれ」

「はーーい。ごゆっくりーー」　

天童さんと目が合うと
ニコリと笑いかけられた
ヤッパリ少し怖い。

「布施？」

『あ、すいません。どうかしましたか？』

「いや、別に」

どうしよう…男の人と会話とか
考えた事今まで無かったし
何を話して良いかわからない
えーっと…えーっと……
そうだ！