夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第9章 解けない魔法(東堂尽八)完結
「あー!今の顔!すっごい可愛い!」
真波君の顔が一気にあたしに近くなって
その目はキラキラしてる
『近いよ!それに先輩を
からかわないでと何度言えば…』
「からかってませんよ〜?」
顔を押し返そうとした手を
真波君が握った
『真波君??』
「……ヤッパリだめだ。赤くなんない」
『何が?』
「顔。今この手を握ってるのが東堂さんなら
姫凪さんはきっと真っ赤になって
今より可愛い顔してるよね?」
『え?まぁ…』
今も実はすっごいドキドキしてるけど…
「悔しいな…」
そう呟いた真波君が、あたしの身体を
グイッと引き寄せた
『ちょ!真波…君!?』
「あ、やっと赤くなった…でもコレは
反則ですよねー…」
そう言いつつも手を緩めてはくれない
『や…離して真波君!』
「イヤな場合はどーしましょうね?」
真波君が腕に力を入れる
身体が緊張で一気に固くなった時
「……なーんちゃって♬ビックリ
させちゃいましたか?冗談ですよ♬」
と、真波君があたしの身体を開放して
いつものように明るい笑顔で笑った
『…もう!次こんな事したら、いくら
温厚なあたしでも本気で怒るよ!』
ドキドキしたままの心臓に
気づかれない様に必死に平静を装う
「……はぁい♬今日はもうしません♬
じゃ、またね!姫凪さん!」
ニコニコした顔を崩さないまま
真波君は坂を降りて行ってしまった
今日は??またね?!
ちょっと待て真波!
一体何を考えてるの?
私も何をドキドキしてるの!?
頭の中がパニックでどこか
夢見心地のあたしを
携帯のバイブが現実に引き戻す
非通知???
こわごわ出てみると
スグに切れる
間違い?と、考える間もなく
また非通知で着信
切っても切っても鳴り続ける
コレちょっとやり過ぎじゃない!?
〈ファンの子が仲間割れして怪我した〉
真波君の言葉を思い出して怖くなる
でもただ少し話しただけで
こんな事になる!?
背筋が寒くなって足早に家に飛び込んだ