夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第9章 解けない魔法(東堂尽八)完結
ある日の練習後。忘れ物を取りに部室に帰ると
ファンは既に散り散りになっていたが
いつものあの子は群れから逸れたのか
一人で廊下を歩いていた
「キミ、オレのファンだろう?」
オレは迷わず、いつものあの子に声をかける
『と…東堂様!?え??なんで!?』
大きな目をパチパチさせてオレを見上げる
「忘れ物を取りに来たのだ。
キミは…1年か??」
『え?はい…いえ!2年です…』
「それは失礼したな、それで、名前は?」
『え??名前?あたしの??』
「ここに居るのはオレとキミだけだろう?」
そう答えると更に顔を真っ赤にして
オロオロとオレから視線を外す
「聞いてはイケないのか?知りたいのだが?
教えてくれないか?キミの名は?」
『…布施…姫凪です…!』
緊張からなのか声が少し上ずっている
「布施 姫凪…
名は体を表す、だな
可憐で素敵な名前だな姫凪」
『そんな…!東堂様の方が…その…
素敵だと思います…』
「オレは箱学イチの美形だからな!」
『はい…本当に素敵で…その…
この状況に全く頭が付いて
いかないのですが…』
「ははは!可愛いやつだな姫凪は!」
『あの…東堂様!名前呼びはチョット…
その恥ずかしいし…』
限界に近いといった顔つきでオレに
話しかけてくる
「名前くらいで大袈裟だな…
あぁ、それと…」
それを言うならオレにも1つ言いたい事が
出来た…と言おうとした時
「東堂ーー!ナァニやってんよ?
フクチャン待ってんよ!?おっせ!!」
荒北の声が響いた
「東堂さ〜ん早く来ないと福富さんに
怒られますよ〜?それに遅刻はオレの
専売特許なんですから〜」
「真波も居たのか?珍しい。二人がかりで
邪魔しに来たのか?」
「ア?ナンパかぁ?東堂ォ?コイツ誰?1年?」
「1年に居たかなぁ?こんな子〜」
「居てもオマエ覚えてねぇだろ!
この不思議チャンがァ!」
「あははっ!確かにそうですね〜」
勝手に盛り上がる二人に
「2年だ。失礼な事を言うな」
と、先程自分も間違えた事を棚にあげて
注意する