第2章 歓迎
立派な門を車で通り抜ける。道の周りには大きく高い木々に覆われていて、外が薄暗い。
木々がなくなり空が広がり、リムジンの中に光が差し込む。リムジンから降り、今日から暫くの間、暮らすお屋敷の外観を見つめる。
洋風の建物。
とても大きく、あっけにとられていると、ハヤトが笑いながら手を差し伸べ、部屋に案内してくれると言う。
「ここが牡丹の部屋だよ。」
案内された部屋は龍宮寺家の部屋の時より何倍も広い。
牡丹は、こんなに広い部屋、それに…と不思議に思い質問した。
「やけに広い部屋…。それにベッドがたくさんあるのは何故?」
ハヤトはクスッと笑う。そして、部屋にかかっていた服を外し、牡丹に差し出す。
「これに着替えて。」
いつの間にか、手にしていた服を渡され、牡丹はそれを見る。黒くて白いフリルが付いていて、まるで…
「これって…メイド服?
私、メイドとしてお世話になるの?」
またハヤトはクスッと笑う。
「アキラからてっきり聞いていると思ったよ。
ここの部屋が広いのはメイド全員同じ部屋だからだね。」