第5章 離さない、永遠に。
「辛いのはわかるよ。
でもそんなに泣かないでおくれ。」
「ありえない…!!」
牡丹にとって、龍宮寺家は家族同然。突然のことに理解が出来ずに泣き叫ぶ。ハヤトも眉間にシワを寄せていたがそれ以上はなかった。
「大丈夫だよ。」
「…えっ…?」
牡丹の髪を撫でたと思ったら、力強く引っ張るハヤト。ハヤトの行動に驚き涙が止まる。
「これからな正式に僕の
奴隷になったから
殺さない程度に遊んであげられるよ。
それこそ、辛いことも思い出せなくなる
くらい気が紛れるからよかったね。」
「なんで…。」
牡丹は逃げられない。
逃げようと足掻いても、ハヤトという荊に捕まり、身動きが取れなくなる。