第5章 離さない、永遠に。
「ん…。」
牡丹は背中の痛みで目を覚ました。まだ開ききっていない目で確認する限り、ここはメイド部屋だと理解する。
気を失った牡丹をハヤトが運んでくれたのだと、理解するのに時間はかからなかった。
隣には新品のメイド服が、これでもかと存在を主張していて、牡丹はため息をこぼす。
着替えるためにハヤトに着せられたであろう、パジャマを脱ぐと、牡丹は驚いた。
ぐちゃぐちゃで今にも解けそうだが、背中の傷を覆うように包帯が巻かれていた。
「なんで…。」
牡丹は、傷つけられたのに、手当てをしてくれたハヤトの気持ちがわからなかった。