第1章 ぷろろーぐ
空港の駐車場で一文寺家と初めての対面。
とっても大きくて長く、綺麗に洗車され、その光がより黒を引き立たせられたリムジンで牡丹のお迎えに来た。
「彼が一文寺 ハヤト」
アキラに言われ何より先に腰を曲げ勢いよく頭を下げる牡丹。
そんな姿にハヤトはクスッと笑う
「そんなに緊張しなくていいよ。
僕は一文寺ハヤト。
えっと…牡丹ちゃんだよね?
これからよろしくね。」
「は、はい!
こちらこそよろしくお願いします。」
頭を上げて彼の姿を見ると、そこには牡丹と同い年か少し上の美青年がそこに立っていた。
アキラとは違い髪は短めの少し茶色がかった地毛。
背丈も男性としては低く、牡丹とそう変わらない。
優しい笑顔…。
牡丹はハヤトの笑顔に魅せられ、同時に安心した。