第3章 離さない、汚してあげる。
「ん…。」
目を覚ました牡丹は我に帰る。アキラの家ではないこと。
そして、ハヤトにされたこと…奴隷として預けられたこと。
こんなことでは挫けてはだめ!と頭を左右に激しく振る。
冷静になり、辺りを見回すと、薄暗くよくわからなかったが、ここはメイドの部屋らしい。
「お風呂…入らないと…。」
そう、小さい声で呟きながら、体を起こすと着ている服が変わっていることに気づく。
いつの間にか入っていたのかなと考える。
ズキンと背中に鈍い痛みが駆け巡る。
その痛みが、嘘ではないと実感させる。
記憶を辿る牡丹は虚ろな意識の記憶を思い出す。