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荊【R18】

第8章 離さない、寂しいよ。


そこには運が悪くハヤトが立っていた。

今すぐ逃げ出したかったが、腰の痛みと足がすくみ動こうにも動けなかった。

牡丹はどうしたらいいとか、わからずに目からは涙をこぼす。










「い、今は何もしないからさ…泣かないでよ!」

「申し訳ございません…。」









涙を拭おうと伸ばすハヤトの手を牡丹は、パシンと払う。

こんな事したら、またお仕置きされる。

頭によぎるが、それよりも今、ハヤトに触られる事が何よりも嫌で嫌でしょうがない。


牡丹は自分で涙を拭いながら、フラフラの足取りで支度に向かう。









「…ごめん。」










今日は天気が良く、屋敷の窓から朝日がキラキラと差し込む。窓の外には小鳥が2匹。

ハヤトの言葉は、小鳥のさえずりにかき消され、牡丹には届かなかった。




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