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荊【R18】

第8章 離さない、寂しいよ。


「ほら、いつまで寝てるのです。」

「…ん、」











牡丹は黒井に起こされ、目を開ける。










「久々に姿を見せたと思ったら、寝坊とか、やってられないわ。
…ただでさえ、執事が何故か全員辞めてしまって大変だと言うのに。」

「…え?」








黒井はブツブツ呟く。最後の言葉は声が小さく、聞き取れにくかったが、執事が辞めたらしい。どうしてかは、黒井にもわからないらしい。

私だってされたくて拷問されたわけじゃないのに!!牡丹は心の中で叫ぶ。
牡丹が起き上がる前に既に部屋から出ていた。

腰は鈍く殆ど感覚がなかった。











「いったあ、、。」











牡丹は服は着ていたので、ボサボサの頭を整え、重たい腰を上げ立ち上がる。

立つのすら困難なのに、歩くとなると尚更辛そうに顔をしかめる。

ドアノブをひねり、扉を開ける。











「おっと、。」

「失礼致しました!」











痛みのあまり下を向いて歩いていたら、誰かにぶつかってしまった。

牡丹は顔を上げ、全身が凍りつく感覚に襲われる。









「牡丹…。」

「ハヤトさ…ま、」
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