第8章 病院
見上げた先は、見慣れない白い天井と、薬品の匂いだった。
「クソ松っ……!?」
「カラ松兄さんカラ松兄さん!!!」
「え……?」
今の状態を頭で整理する。
今ここは、ベッドだ。
そしてこの部屋は、殺風景な白い部屋。
左腕には、点滴を打たれている。
頭には包帯。
温かい右手には一松の手が重なっている。
ここは……病院?
「カラ松…ホントに良かった………あと1週間遅れてたら………」
おそ松は訳のわからないことを嘆いて、俺のことを話しているようだ。
「………すまんが、今言っている事が、理解出来ない。」
「……分かった。今はおそ松兄さんとカラ松兄さんを二人にしておこう。僕たちは父さんと母さんにこの事を伝えて来るよ。」
チョロ松が指示するとおそ松以外の兄弟、弟達が病室を離れた。
今此処は俺とおそ松だけの空間だった、今が妙にもどかしい。