• テキストサイズ

血の争い【黒子のバスケ】

第5章 同盟


「2人共、戻ろう…。鳥族の話は後で対策を練ろう。」

「あぁ、そうしようか。」

そして、3人は会議室へと向かうのだった。会議室に向かう際には、もう一度、高尾が飛んで行った方向を見た結紀であった。

結紀は、高尾がすぐに回復して戦いの場に戻ってい来るのが早いと仲間は思ってしまうに違いない…と思っていたのだった。

結紀と高尾が別れて、1時間後には人間と鳥族の戦いの結果は、またまた引き分けという形で終わったという情報が、吸血鬼族に流れた。それだけ、お互いに必死だということだ。

無事帰還できた高尾は、休憩の為、自分の部屋で椅子に座り、窓から見える空を見つめる。高尾は、回復してくれた結紀の事を考えていた。

―――結局、正体が掴めなかったな。というか、温かかったな…。

そんな事を考えていて、もう傷が残っていない腹部に手を当てる。そこで、高尾ははっとしたのだ。何を他人に気にしているのだという事を…。

その時、高尾の部屋の扉からコンコン…とノック音が聞こえてきた。高尾は、は~いと声を掛ける。扉がゆっくりと開かれ、そこにいたのは緑間だった。緑間はずっと疑問に思っていた事を高尾に聞く。

「高尾、1つ質問なのだよ。何故、戻って来るのが早かった?」

「あぁ~…やっぱりそう思うよな~。」

緑間の質問に苦笑を浮かべる高尾。どうやら質問をされることを分かっていたように見えた。だが、緑間の瞳は真剣だった。隠しても無駄という感じであった。やがて、高尾は静かに息を吐き出して緑間に言う。

「信じられねぇかもしんないけど、オレに治療してくれたのは、吸血鬼のやつなんだよ。」
/ 178ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp