第7章 マルベーラの海岸
ベッドに寝る事もできずに、背もたれに
した状態で泣き疲れてウトウトしている
うちに朝がきたみたいで、
それでも、松本の機嫌は直らないままで
会話もなく会社へとトボトボと向かった。
二『大野さんっ、おはようございます。
昨日はお世話さまで…あれ。 どうした
んですか? すげー顔色悪いし、目も
ちょっと腫れてるよ。』
会社に着くとまた二宮と行きあって
近づいて来てそう言うと、顔を覗き込
んで、そっと目の下を指で撫でる。
大『あ…あの、 昨日帰ってからちょ
っとまたウィスキーなんて飲んだりし
て…それで…』
二『待って。 まだ少し時間あります
よね。 ちょっと来て下さい…』
俺が、曖昧に言って行こうとすると
二宮が俺の手を引いて階段を降りた方
へと連れて行く。