第6章 カタルーニャの森
松『うん。 智さんが迎えに来なくても
大丈夫だっていうから。 少しね。
智さんも、飲みますか?』
大『じゃ、一杯だけ…』
そう言うと、松本はお揃いのグラスを
出してきて氷とウィスキーを注ぐ。
嘘ついて行くのはダメだし…もう少し
酒の力を借りて話そう。
松『どうしたんですか? 目潤まして
誘ってるの?』
大『え? もう…何言ってるんだよ。
』
そう言って、松本を見ると彼はじっと
こっちを見つめていて、視線が絡みあ
う。
松『智さん…。 そっちいってもいい
?』
大『え…。 うん…いいけど。』
俺がそう言うと松本は、グラスを持っ
て俺の横に座ると肩に手を回して抱き
よせる。