第23章 聖者の行進
それを見かけたのが、朝でなんとなく
気になってしまって帰りにもまた通っ
てみる。
いるわけないと思いながらも、
その日は1日そいつのことが気になっ
て離れなかった。
櫻『え… いるじゃん…! お父さん
ちょっと止めて』
ちょっと過ぎたところで、車を止めて
静かに近寄る。
櫻『ねぇ。 君、日本人だよね?
ちょっと何も言わず一緒にきて。
これ以上ここにいると危ないから。』
二『………』
何も答えることなく、再びバックに
顔をうずめた。
櫻『いや。 本当にこの辺危ないから
。ほら。 ここ、追い出されて行く
ところないんだろ?』
二『…グルルル~ ギュルル~』
すると返事の代わりに、彼のお腹が
豪快になった。
櫻『ほら。』
そう言って、手をそっと差し出すと
彼もようやくその手を取って着いて
きた。