第22章 ダークナイト
松『湖の入口ですね! ありがとう
ございます!』
最後まで、聞くことなく携帯を掴むと
飛びだした。
岡田に、湖へ向かうことだけをメール
して走り出した。
松『智… 俺が助けてやるから
待ってろよ…』
必ず見つけてやるからな…
俺の命に代えても…絶対に。
岡田の車の中につけてあった懐中電灯
を照らして森の中をただ進んでいく。
松『智~っ 智さ~ん!
返事してくれよ~っ』
だけど、その叫びに近い声はただ
虚しく闇の中へと消えていくだけ
だった。
懐中電灯の灯りでは足元もはっきりと
見えず何度もつまづいて転んだ。
松『智…さん… そ……ん…な
うそ…だ…』
目の前に広がった湖の中に
人影のようなものが浮かんでいる
のが見えたんだ…。