第21章 ビスコーチョ・ボラーチョ
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櫻『ニノ!! おい! ニノ!』
片手を繋がれ、ベッドへと倒れ込むよう
にうつ伏せている二宮。
2人を掻き分けるようにして、櫻井が
駆け寄ると腕の中に抱きかかえると、
名前を呼んで揺らす。
岡『櫻井さん! 待って。揺らさないで
そのまま、寝かせるように抱えてくだ
さい』
そういうと今度は、胸元からペンライトを
取り出すと、二宮の目を開いて見たり
脈をみたりと診察を始めた。
岡『致命傷は脇腹のモノだけで、
まだすぐに処置をすれば、可能性は
十分あります。
とりあえず、私たちは大野さんの
捜索に行きますので、脇腹の応急処置
だけして、この病院へ運んでください
』
そう言いながら、岡田は布団のシーツ
をビリビリと引き裂いて1枚の名刺を
取り出すと櫻井に渡した。