第20章 ラマンチャの男
櫻井の気持ちも分かるけど、大野の
身の方が大事だ。
ほどなくして、櫻井の携帯に大使館
の方からの連絡が入った。
松『見つかったのか?』
思わず掴む手に力が入る。
櫻『ああ。 …いや、まだ確定
ではないんだけど、先月あたりから
身元を隠した
日本人がラマンチャにいて、最近また
怪しい行動や怪しい連中と接触してい
るっていう話だ…』
決意を新たにする松本の手を握ると
再び制する。
櫻『潤っ!頼むよ』
松『とにかく、行こう。まずはそれ
からだ。』
駆けつけた大使館の日本人スタッフ
の岡田さんと共に
ラマンチャへと向かう。
電気も付いている気配があるが、
宅配便のふりをして岡田が家を訪
ねてみても何も反応もない。