第16章 青い空キミのとなり
そして。 その日の夜20時。
指定の時間丁度に到着して、涼介のマン
ションを見上げて明かりがついている
のを確認する。
松『よし……。 』
小さく気合いを入れて、エレベーターを
上がっていく。
チャイムをならすと、懐かしい声が
聞こえてくる。
『おかえり。 仕事、遅くならな
かったんだね。』
『…え。 なんで…。 』
幻覚…? 夢を見ているのだろうか。
幸せだったあの頃……。
毎日、どちらかが家にいて迎え入れる
幸せ……。
ー ガチャン ー
という音と共に目の前にホンモノの
彼があらわれた。