第15章 カーニバルの夜
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松『それじゃ… 色々お世話になり
ました。』
マー『ああ。 頑張って来いよ。
また…だめなら帰ってくればいいさ。』
そう言ってハグをするとポンポンと
背中を叩いて送り出した。
飛行機に乗ってまた大野からの手紙を
開いて見る。
そこには、初めてバスの停留所から
乗る俺を見て一目惚れだったこと…
新しく知るたびに好きになったこと…
日本に帰って何年も会えなかった時
もずっと忘れられなかったこと…
スペインで再会して付き合える事に
なって嬉しかった事……
何枚にもわたって綴られた大野の思い
の強さが身にしみる。
眠る事も出来ないままに日本に到着
して、とりあえず涼介にメールする。
ーー
俺は返ってきたメールを見つめて
バタンとボストンバッグを落として
しばらく動けずにいたんだ。