第6章 つかの間のティーブレイク
6月も後半に入りそうな日曜日の午前9時45分。
私、椎名 夏乃、緊張しています。
本日、蛍君と約束をしていたカフェ巡りの日でございます。
勉強会の後にスマホにメッセージがきて決まったんだけど…
蛍:次の日曜日部活休みです
夏乃:わかった。
じゃあ待ち合わせは仙台駅でいい?
蛍:大丈夫です
時間はどうしますか?
夏乃:蛍くんに合わせるよ?
蛍:10時くらいで大丈夫ですか?
夏乃:OK
蛍:次の日曜日、10時に仙台駅前ですね?
蛍:ちゃんとおしゃれしてきてくださいよ?
蛍:デートなんですから
なんてメッセージが来たもんだからもうなんか緊張してるわけですよ。
それに、実家に勉強会のときに使った机を返しに行った時にそわそわしているのを冬乃に感づかれちゃって…
「デート⁈デート⁈やっばっ‼︎テンション上がる‼︎」って私よりテンション上がって母親に報告しに行った。
私の気持ち置いてけぼり…
そのため本日のコーディネートは冬乃サンが頑張ってくれちゃったわけですが…
ちょっと若すぎやしませんか?
黒のタンクトップタイプの膝上ワンピにざっくりした白のカーディガン。
素足に白のレースアップのパンプスを履いている。
カバンは財布と化粧ポーチ、携帯とその他がちょこっと入るような小さめバッグ。
ちなみにワンピースは肩から胸元までレースになってるものを選ばれた。
そこそこ露出高いような…
ストッキングも許してくれなかったし…
それに冬乃サン、いつもは起こしても起きないような子が朝から家にきてヘアアレンジまでしてくれるっていうね?
ゆるく編み込まれた三つ編みを淡いピンクのレースのシュシュでまとめてくれた。
もう好きにしてくれ…