第5章 目指せ!赤点回避!〜ハラハラの勉強会〜
私は気付いたら他の誰かに抱きしめられていた。
だれ?
あれ?
この匂い…
もしかして…
「椎名さん…困ってますケド…」
やっぱり…
月島くんだ…
「あーあ、月島に持ってかれたかー。残念。」
なんて孝支くんの残念な声が後ろから聞こえてくる。
身長差があるから丁度胸のところに私の顔があるんだけど…
ワイシャツ越しの心音がすごい。
ふと顔を見ると心なしか頬が赤い。
見られているのに気づいたのか月島君は、顔をそらしつつ体を離して手のひらで目元を覆われてしまった。
「何かすること…あったんじゃないんデスか?」
『あっ…じゃあみんな、勉強しててね?』
真っ赤な顔を隠すように私はキッチンに向かった。
全員(かっ……可愛い…)
そんな思いを抱枯れていたなんて知らずに私はキッチンで恥ずかしさに悶えていた。