第33章 決勝戦vs白鳥沢
テクニカルタイムアウト
5セットマッチの時にだけはいるタイムアウト。
どちらかのチームがが8点、16点になった時に入る。
通常試合で入れるタイムアウトとは別物のタイムアウト。
今回は白鳥沢が16点目を取ったことによりタイムアウトが入った。
みんながベンチに集まってくる中、蛍君はみんなから外れ、救急箱からテーピングを取り出している。
自分でテーピングを巻こうとした蛍君に縁下君が声をかける。
縁下君は蛍君からテーピングを受け取り蛍君の右手の人差し指に巻いていた。
タイムアウト前、蛍君は牛島君のボールを触ってた。
その時に…
テーピングの巻き方を見ると突き指…だと思う。
動かしづらくなった指を見て蛍君は何かを考えていた。
表情は読めない。
でも何かに苛立つように舌打ちをした…ように見えた。
きっと自分のプレーに満足できていないんじゃないかと思う。
タイムアウトが終わりみんながそれぞれの持ち場に戻る。
次のサーブは
牛島君。
牛島君の手から放たれたボールは澤村君の手を弾きコートに落ちる。
次も牛島君のサーブ。
ミスを生み出せ
入らなければ烏野の点になる
祈る気持ちと手を握りしめる力はどんどん強くなる。