第32章 春高予選決勝前夜
私達は少し早めに学校に向かった。
蛍君を車から降ろし、そのまま私は編集部に行き、必要なものを車に積み、仙台体育館に向かう。
急いで荷物を下ろすと
足早に仙台市体育館の入り口に向かう。
そう、体育館にやってくるみんなを写真に写すため。
ざわざわ
騒ぎ出した周りの声に反応し私は顔を上げる。
きた。
みんなは勇ましい顔をしながら現れた。
数枚写真を撮ると私は烏野のみんなと一緒に会場入りをしようとメンバーの後ろに回ろうと一歩踏み出そうとすると
目の前には
白鳥沢ジャージ…
牛島君がいた。
みんなが歩みを止める中、日向君、影山君が前に進み、牛島君の前で止まる。
「ヒナタ ショウヨウ、カゲヤマ トビオ。」
「決勝まで来ました。」
「コンクリート育ちの俺たちがあなたをぶっ倒して全国へいきます!」
その声にみんなの顔が引き締まる。
「楽しみにしている。コートで会おう。」
そう言い、牛島君は身を翻し会場に戻っていった。
「くっそー早く戦いてぇ‼︎」
武者震いをする日向君。
隣にいる影山君も肯定するように笑う。
「よーし絶対行くぞ!春高!」
澤村君の掛け声とともに烏野のみんなは気合いの入った返事をし、体育館に入っていく。
あと、約2時間半で試合が始まる。