第31章 代表決定戦2日目〜因縁の対決〜
私は応援席にいたみんなと試合の終わった烏野のメンバーのところへ向かった。
冴子ちゃんは弟の田中君、西谷君に
仁花ちゃんは日向君、影山君に
嶋田センパイ、滝ノ上センパイは山口君に
そして私は
蛍君のところに向かった。
『お疲れ様。決勝進出おめでとう。』
蛍君は涼しい顔で「どうも…」って言って顔をそらす。
『もう…こういう時くらい嬉しいって喜べばいいのに。』
まぁ、蛍君だしね?
むしろ蛍君が日向君ばりに喜んだら逆に心配しちゃう。
「そうだ、もし決勝残ったら兄貴、応援に来るって言ってたんですよね…」
『明光さん来るんだ⁉︎』
そりゃあ弟が決勝残ったら見に来るでしょう。明光さん、蛍君大好きだもんね?
にこりと笑うと蛍君はあからさまにため息をついた。
「あの兄貴、来るなって言っても来る…」
うん、明光さんならくる。
隠れてでも来る。
『それが兄弟なんだよ。』
産まれた時からほとんど一緒にいる相棒みたいなものだから…
そんな話をしているとバスを取りに行っていた繋心センパイが戻ってきた。
「バス取ってきたから荷物積んじまえよー。」
「「「うーっす!」」」
私は荷物を運ぶみんなの背中を見つめていた。