第31章 代表決定戦2日目〜因縁の対決〜
タイムアウト終了。
山口君のサーブから試合は再開される。
「山口ぃぃぃ!1本ナイッサー‼︎」
仲間の声援を受け、サーブを放つ。
ネットの白帯にあたり弾かれ、
ボールは青城コートに落ちる。
ネットイン!
「あのネットイン⁈和久南戦でもあったよね⁈」
冴子ちゃんがコートを指差しながら興奮した様子で話をする。
『ううん。さっきのとは違うよ?』
「そう。同じネットインでもさっきのとはぜんぜん違う。」
前回はサーブが入るか。
今回はどこに決めるか。
同じサーブでも頭で考えていることは全然違う。
そう、
攻めのサーブだ!
山口君のサーブは青城に取られる。
青城がスパイクを打つが蛍君がワンタッチ。
そして東峰君がスパイクを打つ。
ブロックに当たったボールがコートのラインを超え烏野のポイントになった。
烏野24-青城23
烏野マッチポイント!
みんなが祈るように山口君を見つめる。
山口君がボールを上げて
打った。
青城のリベロがボールをあげる。
岩泉君がスパイクを打つために飛んだ。
「「『とめてー!』」」
観客席ではみんなが叫ぶ。
ずばぁぁぁん
ブロックの横を通りボールは山口君の腕にあたりコートに落ちる。
「しゃぁぁぁあぁぁぁぁぁ!」
岩泉くんの嬉しそうな叫び。
山口君の悔しそうな顔。
でも和久南戦の時のような逃げ出した悔しさじゃない。
今回はもっと点を決めたかったっていう悔しさ。
すごかったよ山口君、お疲れ様。