第5章 目指せ!赤点回避!〜ハラハラの勉強会〜
まずは1年生。
1年生は勉強できない組に小テストを出させて答えを直させている。
ちらりと覗いてみたらそりゃあもう悲惨だった。
[日向 翔陽の答え]
次の( )に当てはまる語句を入れことわざを完成させなさい。
(1)無慈悲なものにも、時に慈悲の心から、涙を流すことがあるという意味のことわざ
鬼の目にも(金ぼう)
「痛い‼︎」
目元を抑えて悲しい声の山口くん。
「お前鬼にひどいんじゃないか…」
鬼に親身になっているのは影山くん。
「鬼に金棒だとおもったの⁉︎問題文は読んでないのかな⁉︎」
正論でまくしたてるのは月島くん。
日向くん、なんかかわいそう…
でも鬼もかわいそう…
「うっせーなーもー‼︎」
みんなどんどん言うもんだから小さい日向くんが余計小さくなってる。
そんな日向くんを見ながら月島くんはもう1人の赤点予備軍、影山くんに話しかけた。
「ねーねー!影山も他人のこと言えないんだけど!全体的に日向よりできてないんじゃないの⁉︎」
月島くんはテストを叩きながら影山くんに言う。
「基礎的な数学の公式とか英単語くらいは自分でなんとかしなよ?「日本人に英語がわかるか‼︎‼︎」
ちょっ!影山君開き直り‼︎
イライラした顔をしながら月島君はトドメと言わんばかりに遠征諦めるんだねと捨て台詞を吐く。
見るに見かねて澤村君が声をかけてくれた。
「なあ影山…」
お?澤村君ハンドサイン?
「Bクイック、A、C、セッター前の時間差、レフト、バック、アタック、
D、平行、セミ、セッター後ろの時間差」
スラスラと答える影山くんにみんな唖然とする…
澤村君はニコリと笑いながら「サイン、どのくらいで覚えた?」と聞くと驚愕の答えを叩き出した!
「教えてもらった日っすかね?」
バレーに関する事は天才的だね…
本当に…
「それで暗記ができないとは言わせないからな」
影山君に向き合った澤村君は…
それはそれはもう迫力のあるお顔でした。