第31章 代表決定戦2日目〜因縁の対決〜
「このタイミングでの選手交代、うまく決まったな!」
嶋田センパイ曰く蛍君がサーブの時は点が取りづらいローテーションなんだそうだ。
そこに孝支くんが投入されることによって、凌ぐだけだった回から積極的に点が取れるようになるのはすごく意味のあるものになる。
いけるかもしれない。
タイムアウトを挟み、孝支君のサーブ。
狂犬君の前に落ちたボールを背番号3番が変わって拾う。
やっぱり攻撃への対応が早い。
青城に得点が入ったためピンチサーバーで入った孝支君は少しくやしそうにベンチに戻っていった。
その後も取ったり取られたりと点差が開かない。
「もしこのセット落としても烏野先に1セット取ってるし次取れば大丈夫大丈夫!」
「いや、このセットは意地でも取ったほうがいい…取らないとまずい気がする…」
嶋田センパイの言葉もむなしくどんどん点を取られていく烏野。
そして
狂犬のエンジンが
かかりきったように見えた。
飢えた獣が舌なめずりして笑う。
早く獲物を捉えさせろと。