第30章 代表決定戦2日目
空気がピリピリしてる
試合前の練習。
そんな中、山口君は胃が痛いのか仁花ちゃんに胃薬を頼んでいる。
仁花ちゃんが「緊張は口に出した方がこころがほぐれる」って言ってくれたからか山口君は胸の内をぽつぽつと話し始めた。
「俺、インハイ予選の青城戦、チームがピンチのとき初めてピンチサーバーで試合出たんだ。
追いつけない点差じゃなかった。
俺が決めてたら勝てたかもしれない…
なのに俺はミスって…
だから、またそうなったらって思うと…」
私は元気づけようと口を開こうとすると仁花ちゃんが変な声を出した。
「そっ」
そ?
「そんなチームのピンチを任されたの!!
き、緊張してきた!
口から心臓でるっ‼︎‼︎」
山口君の緊張仁花ちゃんにうつってる…
仁花ちゃん顔真っ青…口から心臓は出てこない…
山口君に逆に心配されてるし!
そんな2人をみてみんなが心配して近づいてくる。
「どうした⁉︎山口‼︎」
「谷地さんの心臓がぁ!心臓がぁぁぁ!」
「落ち着け山口!」
「110番か⁈」
「119番です。」
なんだろうこのコントみたいな感じ。
他の子に助けを求めようと思ったら…
「風邪みたいに緊張も他人に感染したら治るのかな…みんなさっきより元気」
「何真面目に分析してるんだよ。」
孝支君が噴き出すから私もついつい笑ってしまった。
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時計の針は13:25を指していた。
「よしみんないるな!」
あと5分で試合が始まる。
「おし、いくぞ!」
その掛け声とともに体育館に向かうみんな。
試合が始まる。