第30章 代表決定戦2日目
今日は昨日よりも少しだけゆっくり会場に向かった。
烏野のみんなと少しだけ話をして、それから観客席に向かう。
アップを見ていると嶋田センパイに肩を叩かれた。
「椎名も来たんだな?」
『はい。取材許可しっかり取ってきてますよ?』
私は関係者札を嶋田センパイに見せつける。
ちなみに嶋田センパイは町内会バレー部の1人。
そして繋心センパイと同級生。
あともう1人、腐れ縁みたいな人がいるんだけど今日は仕事みたい。
嶋田センパイと話をしていると聞いたことのある声が近づいて来た。
あの顔は…
「あ!夏乃さんじゃん!チッス!」
冴子ちゃんだ。
嶋田センパイが不思議そうに見ているから耳打ちで教えると納得したような顔をする。
やっぱりそっくりだよね…田中兄弟。
「夕ぅー!龍ぅー!応援きたよー!」
コートに届くように大きな声で叫びながら手を振る。
西谷君は冴子ちゃんに手を振り、田中君がぎょっとした顔をした。
まぁ高校生男子が身内に応援来られたらこうなるよね…
アップが終わり、試合が始まる。
私は儀式のように胸のネックレスを握る。
重ねてつけたネックレスのプレートが
チン
となった。