第29章 代表決定戦1日目
今回は烏野のサーブから始まる。
綺麗にサーブが入り、条善寺のレシーブ、トスが乱れる。
チャンスボールが返ってくると思い構えるみんなを尻目に向こうのチームは強打でボールを放ってきた。
その後も落としそうになったボールを足を使って上げたりと型にはまらないプレーをしている。
まるで運動神経の高い運動部と試合してるみたい。
そんな中、条善寺が打ったサーブがネットインする。
落ちそうになったボールを田中君がギリギリで繋ぐ。
繋がれたボールは高く宙を舞い壁のほうに飛んでいく。
これは、間に合わない…
そう思った矢先、壁に吹っ飛んだボールを日向君が走り込み拾った。
勢いよく飛び込んだためスピードが落ちない。
「危ない!」
仁花ちゃんが叫ぶ。
壁にぶつかる!って思ったら日向君は壁を蹴って体制を整えた。
会場からはスパイダーマンか!ってびっくりされてる。
そこに西谷君が滑り込み相手コートにボールが返っていく。
そうだった…
運動神経がずば抜けててびっくりするプレーを見せてくれる子、烏野にもいっぱいいたんだった。
観客席から「防戦一方じゃん」なんて言われているけどまだまだこちらの手の内は見せていない。
綺麗にボールをつないで影山君、日向君コンビの超速攻が決まる。
他のメンバーの攻撃も綺麗に決まっていく。
順調に点を取っていると他の高校の声が聞こえた。
「条善寺って普段2or2の練習をひたすら繰り返しているから他人にプレーを任せようって気がないみたいなんですよ。」
だからどのポジションにいても攻撃してやるっていう気持ち、
人に任せず自分がボールを取る意思があるのかもしれない。
本当になにをしでかすかわからない。