第28章 ヒミツの特訓?
そしてやってきました。
「加地ワイルド・ドッグス」が練習している体育館。
今回も玄関前で明光さんに電話を入れる。
すると、明光さんが迎えに来てくれた。
「お待ちしていました。
私服も素敵ですね?」
そう、今回は取材じゃなくて個人的な用事。
「じゃあ行きましょうか?」
案内してもらったのは体育館の2階のギャラリー(体育館の上の方にある細い小道みたいなやつね?)。
「あいつ最近メキメキ腕上げてるんですよ。
そろそろ赤井沢さんのスパイクどシャット決めるんじゃないかなって思って。」
あ、ちなみに赤井沢さんっていうのはチーム1強いスパイクを打ってくるおじさま。
挑発大好きで蛍君にも挑発してたな…
「じゃあ俺も試合出てきますね?俺もかっこいいところ見せますね!」
その後試合は回って蛍君も赤井沢さんも前衛の時だった。
赤井沢さんにボールが綺麗に上がった。
いつものように気持ちよくスパイクを決めるために腕を振り切る赤井沢さん。
すると、
踏み切りのタイミングをうまく合わせ、蛍君が見事にキル・ブロックを決めた。
蛍君はやってやったって感じの嫌味な笑顔を浮かべている。
『やった!どシャット!』
興奮してつい叫んでしまった。
その声が聞こえたのか、コート内の蛍君と目線があった。
あ、今日ばれないようにってきたんだっけ…
うわぁ蛍君にっこりしてる。
口パクで何か言ってきてる。
『お』『し』『お』『き』
よーし。
さっさと退散だ。
逃げ帰ろうとしたところを蛍君に捕まえられ、その後きっちり『お仕置き』されてしまいました。