第27章 怒涛の東京出張‼︎最終日
新幹線に乗り荷物を置き、座る。
2人でふーと長く息を吐いてしまい顔を見合わせる。
『楽しかったけど疲れたね。』
「どうしてあんなテンション維持できるんでしょう…」
『バタバタ過ぎてあっという間だった…』
『でも楽しかったなぁ』
そう言い、私は蛍君の方を見て笑った。
「そういえば…」
蛍君が鞄を漁り出す。
そして小さい箱を出して渡してくる。
「誕生日…何も渡せなかったんで…」
『私もっ!もうすぐ蛍君誕生日だからプレゼント買ったの!』
自分の鞄を漁り同じくらいのサイズの箱を出して蛍君に渡す。
『いっしょに開けてみる?』
「そうですね?」
2人同時に箱を開ける。
「『これ…』」
箱の中を見て2人顔を見合わせる。
『同じ…?』
そう、箱の中にはネックレス。
私からのプレゼントはプレートの端に小さな月が彫られているもの。
蛍君がプレゼントしてくれた方は桜が彫られていた。
「偶然…ですね」
スカイツリーで見つけたシルバーアクセのお店。
そこで見つけたネックレスはシンプルなデザインで蛍君にも似合いそうだなって思って購入した。
私が購入したネックレスの隣に置いてあった桜が彫られた同じデザインのネックレス。
それを蛍君は買っていたみたいだった。
月と桜。
考えていることはお互い一緒だったようで思わず笑ってしまった。
お互いにネックレスをつけ合う。
お揃いのネックレスをつけた私たちを乗せて新幹線は宮城に向かっていった。