第21章 怒涛の東京出張‼︎準備編
『ごめんなさい‼︎』
春高1次予選が終わった次の日、私は彼氏である月島蛍君に自室で土下座をしていた。
「その仕事、断れなかったんですか?」
ため息まじりに蛍君がつぶやく。
そう仕事…
仕事なんです…
ちょうど蛍君が夏休みラストの週である来週、出張が入っちゃったのです。
学校が始まれば春高2次予選に集中するため、蛍君は休みが取れなくなる。
来週1週間が2人でゆっくりできるチャンスだったのに…
「仕事なんで…しょうがないですよ…」
そう言う蛍君の顔はちっともしょうがないなんて顔をしていなかった。
不意に電話が鳴る。
『ちょっと取るね?』
電話は編集長。
ちょっとだけ編集長にお願いを聞いてもらっている最中でその結果が来たようだ。