第20章 春高予選!一次‼︎
インハイ予選での活躍で有名になったらしく、烏野のみんなは周りからマークされているようだった。
まぁ、会場内でもいつも通りでこちらとしてはちょっと安心かな?
最初の試合は扇南(おうぎみなみ)高校。
田中君みたいな感じの人が多い…かな?
ちょっといかつい…というか…
ヤンキ…やんちゃそうな子が多そうというか…
いつの間にかアップは終わり試合となる。
私は2階の観客席、烏野の横断幕の前で仁花ちゃんとコートを見守る。
なんで仁花ちゃんが観客席にいるかって?
試合中マネージャーは、コートに1人しか入れないんです。
仁花ちゃんと緊張するねなんて話をしているとふと、ある人の名前が聞こえたためそちらを見ると…
その人はいた。
烏養 一繋(うかい いっけい)。
繋心センパイの祖父であり、昔烏野を全国に連れて行った元監督。
私が烏野バレー部のマネージャーをしていた時の監督だった方。
『烏養監督!お久しぶりです!』
監督は不思議そうな顔をしている。
『椎名です。7年前烏野のバレー部でマネージャーをしていた…』
少し考えたところで思い出したらしく…
「ああ…!うちの『クソガキ』がいた時のマネージャーか。」
クソガキって…
繋心センパイのことか…
『今日は取材でお邪魔していて…』
「今の烏野はおもしれーだろ。」
烏養監督はにやにやしながら話す。
『面白い?』
「チビ太郎と相棒の速攻とかな。」
あぁ、確かに。
烏養監督は、こういう「普通じゃない」ものが好きだったな。
新しいものが好きというかなんというか?
だからかな?
こんな無鉄砲ではちゃめちゃ。
でも目が離せない。
烏野がそんなチームなのは。