第16章 合宿後半戦‼︎(4、5日目)
夜、今日も最後に第3体育館に寄った。
ちょうど休憩中だったようでみんなはスポーツドリンクを飲んだり汗を拭いたりしている。
黒尾君が1年生3人にアドバイスをしているようで…
「スパイカーと1対1の時は基本的に相手の「体の正面」じゃなく「利き腕の正面」でブロックするといいぞー」
「おおー!」
そう、感心した声を上げているのはリエーフくん。
「あの…」
蛍くんが問いかけると黒尾君が蛍君の方を向く。
「一応…僕ら試合になったら敵同士ですよね?
どうしてアドバイスまでしてくれるんですか?」
黒尾君ちょっと考え、答える。
「僕が親切なのはいつものことです。」
蛍君、やばいものを見る目だけど…
日向君までどうしたのこいつって言わんばかりの顔で見てるよ…
「何もそんな目で見なくても」
『いや今のはアウト』
「夏乃さんまで!」
オーバーリアクションの後、黒尾君はため息をつき、頭をかきながら蛍くんの問いに答えてくれた
「ごみ捨て場の決戦ってやつをさ。なんとか実現したいんだよね?」
ごみ捨て場の決戦…
かつて烏野高校が強かった時代、音駒高校とよく戦ってた時にカラスとネコの対決だったからそう呼んでたらしいが…
「うちの監督の念願だし…
けど監督はあとどんくらい現役で居られるかわかんねーしさ。
それにはお前ら烏野にも勝ち上がってきてもらわなきゃなんねーだろ?
…まあ、俺の練習でもあるワケだし細かいこと気にすんなっつーの!」
ちょっと照れてるのか黒尾君はさっさと練習に戻って行ってしまった。