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年下のオトコノコ【HQ】

第14章 夏の長期合宿3日目‼︎





試合が進むにつれ期待が高まっていく。


なんだろう。気持ちが高揚する。


心臓が痛いくらいドキドキする。



「俺に寄越せ!」

木兎君が叫び、赤葦君がトスを上げた。

助走をつけ、木兎君は宙を舞う。
















ぞくり…




ブロックする蛍君から出ている気迫。

いつもの感じとは確実に違う絶対止めてみせるとでもいわんばかりの雰囲気。



いつもそばにいる私でさえ感じたことのないもの。


それに飲まれてしまったのか木兎君は瞬間的にスパイクからフェイントに変え、ボールをコートに押し入れる。



「フェイントー‼︎」

田中君が叫び西谷君が滑り込むが取れず、ボールはコートに落ちる。

梟谷に得点が入った。



武田先生が今の興奮している。

「うわあ!今絶対強打でくると思いましたよー!
まさかフェイントだったとは!さすが全国区エースですねぇ!」


違う。

今のはスパイクを打つつもりで来た。

でも、負けたのだ。










蛍君の気迫に。



繋心センパイもそれに気づいたようで私たちは顔を見合わせニヤリと笑った。

蛍君が少しずつ変わり始めた。

今のプレーはそれを感じさせる第一歩のようだった。


嬉しくてニヤニヤしていると梟谷のコートから、木兎君と赤葦君の声が聞こえてくる。

「木兎さん、今逃げましたね?」

赤葦君にビシッと指摘され木兎君の表情がこわばる。

「に…逃げたんじゃねえ!避けたんだ‼︎上手に避けたの‼︎」

他の部員に油断してんじゃねえと突っ込まれ木兎君は膨れながら謝っていた。

「ハイハイ!すみませんでしたぁー!」

謝る…というか不貞腐れた子供が無理やり謝るようなそんな感じ。

黒尾君はそれを見てニヤニヤしてこちらをみてるし…




みんなが蛍君の変化を少しずつ感じ始めたようだった。

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