第8章 7月7日、合宿1日目!
蛍君に背中を押されるようにして部屋に戻ってきた。
そのまま部屋に戻るのかと思ったら戻る様子がない。
「ねえ、夏乃さん?どうしてそんな格好してるの?」
ぽそり、蛍くんが呟く。
変な格好ではないとおもうんだけど…と、服を見回す。
ちなみに今は、キャミタイプのマキシワンピを着ている。
『変?』
不思議がっていると後ろから抱きしめられてしまう。
「風呂上がりにそんな格好してたら襲われるよ?」
そう言うと蛍君は、私のうなじに口づける。
『けっ…蛍君?』
蛍君の腕の中から抜け出そうとするがいつもより力が入らない。
つ…と拭き取りきれなかった水滴が背中を伝う。
それを追いかけるように蛍君の舌が這った。
ぞくぞくする
顔が、身体がほてる
身体がはねる
『け…くん…だれか…くる…よ?』
「じゃあ声抑えて…」
抑えられるものなら抑えてる
身体が
頭が
言うことを聞かない
『けーくん…どうしたの?』
そう言うと蛍君は私を抱き上げ敷いておいた布団に降ろされ上から覆い被さり見つめられた。
心なしか蛍君の頬が赤く染まっている。
「こんな格好…僕の前だけにして…心配で外歩かせられない」
『心配…してくれてるの?』
「心配しないわけないじゃないデスか!男子高校生の性欲なめないでください!
さっきのであの人たちの夜のオカズ決定ですよ⁈」
なんてまくし立てられる。
大丈夫なのになんて思っていると蛍君は頭を私の胸にもたれさせた。
「心配デスよ…貴女は僕のものなのに…」
拗ねているようなその姿が可愛くてまだ少し湿り気のある髪の毛を優しく撫でると蛍君はふ…と息を吐き私に体を預けてくる。
『私が好きなのは蛍君だけよ?
他の誰かじゃなくて、蛍君が好き。』
「…その格好禁止…エロすぎる」
『わかった…上着着るわ?』
渋々了承し、もぞもぞと蛍君の下から這い出すとその体勢のまま抱きしめられる。
と、腰に硬いものが当たった。
冷めかけていた頬が再び熱を持つ。
『け…くん?』
振り返るといつもより挑発的な目で見つめられ、さらに腰を押し付けられる。
「いったデショ?男子高校生の性欲舐めないでくださいって?
次は抑えられないので
覚悟してください…ネ?」
そう言うとそのまま顔が近づき…
下唇をなぞるように舌を這わされニヤリと笑われてしまったのだった。