第1章 あなたのコンプレックス。
これ以上渚に嫌な思いをさせない為に、バッと離れる。
「他には?
他にあたしにされて嫌なこととかない?」
渚にだけは嫌われたくない。
渚が嫌だ、って言うならなんだって我慢出来る!
「ないよ!
沙織ってば大袈裟過ぎ」
あはは、と破顔した。
「なんか急に沙織のこと欲しくなっちゃった。
責任取って貰ってもいいかな?」
「いいかな、じゃなくて取れ!でいいよ。
あたしの顔色なんか伺わなくていいし」
「そうだね。
じゃあ早く家行こっか」
渚はあたしの手を取ると、自分の家に向かって走り出した。